「植物エキス」は一つのものではありません
化粧品において、「植物エキス」という言葉は誤解を招くほど広い意味を持ちます。同じ植物から、水エキス、グリセリンエキス、グリコールエキス、油エキス(浸出油)、CO2エキス、あるいは乾燥粉末エキスを得ることができ、それらの有効成分含有量、溶解性、処方挙動はまったく異なります。処方者の最初の仕事は、手元のエキスが正確に何であるかを理解することです。すなわち、そのキャリア/溶媒系、有効成分濃度、標準化の状況です。「緑茶エキス」と言っても、技術的にはほとんど何も伝えていないのです。
溶解性と溶媒系
エキスのキャリアは、それが処方のどの相に入るかを決定します。
- 水/グリセリン/グリコールベースのエキス: 水相に入ります。pHや電解質バランスに影響を与えることがあり、防腐剤との適合性が必要です。
- 油ベースの浸出油およびCO2エキス: 油相に入ります。酸化安定性と色への寄与を考慮しなければなりません。
- 粉末/乾燥エキス: 適切な溶媒であらかじめ溶解させる必要があります。不溶性の粒子は濁りや沈殿を引き起こします。
溶解性を見誤ると、エキスが析出したり、相が分離したり、有効成分が本来あるべき場所に存在しなかったりします。サプライヤーの推奨される溶解性と使用相を確認することは標準的な実務です。
有効成分の標準化
エキスが「効く」ためには、目的とする分子が一定のレベルで存在していなければなりません。標準化とは、エキスを定義されたマーカー/有効成分の割合(例:ポリフェノール、特定のフラボノイド、総酸量)に合わせて調整することです。標準化されていないエキスでは、有効成分含有量が収穫、バッチ、加工によって変動し、効果のばらつきと効能表示のリスクの両方を生み出します。
処方者にとっての実務的な帰結は以下のとおりです。
- 可能な限りマーカー標準化されたエキスを優先してください。規格にはマーカーと試験方法が記載されているべきです。
- 標準化されていない場合、自分で検証できない有効成分含有量に基づく効能表示を構築してはいけません。
- 配合量は標準化されたマーカー濃度に対して計算してください。「エキスの%」だけでは不十分です。